口がかわく! ドライマウス(口腔乾燥症)の健康への影響と予防法

健康増進

ドライマウスは、一般的につば(唾液)の出が悪くなって、口の中が渇いているいる状態です。唾液に関係なく、口が乾いていると感じる時も対象となります。口腔乾燥症ともいいます。

症状としては、口がかわく、口の中のネバネバ感、舌がヒリヒリする、口臭が強い、ムシ歯や歯周病の原因となる歯垢の増えます。

ドライマウスは健康への影響を及ぼす可能性があります。この記事では、唾液の出が悪くなるドライマウスの予防法と対処法について探ります。

ドライマウスの原因:

  1. 薬物の副作用: 特定の薬物(抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、抗不整脈薬など)は、ドライマウスを引き起こす可能性があります。
  2. 病気や状態: 自己免疫疾患(シェーグレン症候群)糖尿病、放射線療法、ストレスなど、さまざまな病気や状態がドライマウスの原因となることがあります。
  3. 年齢: 年をとると唾液の分泌量が減少するため、ドライマウスになりやすい。

唾液の働き  

唾液は多くの口腔内で重要な働きを果たしています。

  • 食べ物を飲み込みやすくする。
    唾液でかみ砕いた食べ物をまとめて飲み込みやすくする。
  • 味を感じやすくする。
    唾液と食べ物と混ぜ合わせることで、味がわかるようになります。
  • 会話がしやすくなる。
    唾液が潤滑液として働き、口が回りやすくなる。
  • 口の中を清潔に保つ。
    唾液には食べ物を洗い流すことで、口の中をキレイにします。
    唾液がないと口の中が不潔になり、細菌が増えて、ムシ歯や歯周病になりやすく、口臭の原因にもなります。
  • 消化の助けになる。
    唾液にはでんぷんを麦芽糖に分解する酵素が含まれています。消火吸収しやすい形に変えます。
    そのためご飯をよくかむと甘さを感じるようになります。
  • 初期のむし歯を治す。
    口の中が酸性になるとむし歯ができやすくなりますが、唾液には中性にもどすはたらきがあります。
    歯の表面がむし歯菌の作った酸で溶かされても、唾液などの働きで元に戻してくれます。

    したがって、唾液が不足すると、これらの機能が損なわれ、食事が美味しく無くなり健康への悪影響が生じる可能性があります。

唾液減少による健康への影響

  • 歯の健康問題
    唾液不足は歯の表面に汚れがたまり、歯周病やむし歯になりやすくなります。
  • 消化不良
    唾液には食べ物の消化を助ける酵素が含まれており、唾液不足は消化に悪影響を与える可能性があります。
  • 口内感染症
    唾液は口腔内の細菌をコントロールし、感染症を防ぐ役割を果たしています。唾液中の細菌の一部は胃で消化されずに腸まで入り込みます。腸内細菌のバランスを崩し、唾液不足は体の不調の原因となることがあります。。
  • QOLの低下
    唾液不足により、食事がお美味しくなくなり、会話も楽しくなくなり、生活の満足度が低下します。

対処法

  1. 水分摂取: 口が乾いていると感じたら、こまめに水を飲むことが重要です。外出する時はいつもペットボトルに水を入れて持ち運ぶようにしましょう。


  2. よくかむ: よくかむことで唾液の出が良くなるため、水を飲むだけでなく、シュガーレスのガムやキャンディをかむことも助けになります。

    舌の体操や唾液腺マッサージでも唾液の出が良くなります。

  3. 加湿器の使用: 寝る時は室内をを加湿することで、口腔内の乾燥を緩和することができます。寝ている時に口が開いてると、口の中が乾燥しやすくなります。鼻が詰まってないことを確認して、上下の唇をテープで止めることも効果があります。


  4. 健康な生活習慣: タバコやアルコールの摂取は口腔乾燥症を悪化させる可能性があるため、控えるか適量にすることが重要です。口の中を清潔に保ち、定期的な歯科検診を受けることも推奨されます。


  5. 唾液代替物の使用: 唾液の代わりになる人工的な唾液を使用することで、口腔内の乾燥を緩和することができます。市販されている唾液代替物や口腔スプレーが利用できます。

    口の中を保湿するリンスやジェルスプレーも販売されています。

  6. マスクをつけている時は、鼻呼吸がしにくくなり、口呼吸になりがちです。口が乾きやすくなるので注意が必要です。口がポカンと開いてる状態では、口の中が乾燥しやすいので、鼻で息をするように心がけて下さい。

  7. 医師や歯科医の相談: 口腔乾燥症が持続する場合や重度の場合は、医師や歯科医に相談して専門的な治療を受けることが重要です。

まとめ

唾液分泌減少による口腔乾燥症は健康に悪影響を与える可能性がありますが、適切なケアと予防策を取ることで症状を軽減できます。これらのアプローチを組み合わせて、口腔内の健康を維持しましょう。

Bosyun

川野歯科医院院長。
九州大学第2補綴科、宮崎医科大学歯科口腔外科、国立肥前療養所、県立延岡病院勤務を経て宮崎市松橋で開業して40年。

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